読書記録(2020年6,7月)

今まで読んだ本の感想をたまにtwitterで流していましたが、140文字制限がきついのと後で見返しにくいので、こちらにまとめることにしてみます。

図書館情報学オタクと学ぶ検索エンジニア入門

booth.pm

情報検索の分野は初見だったが、具体的な例を元に情報検索とは何か、どのようなツールを使うのか、評価はどうするのか、どうビジネス的な価値を出すのかが記述されており、この分野でやっていることの片鱗を知ることができた。

データ分析のための数理モデル入門-本質をとらえた分析のために

統計や機械学習だけでなく、強化学習やエージェントベースモデルまで、モデルを作成する方法について、かなり網羅的に触れられている。1項目あたり数ページなので、各手法については触りを紹介するような感じ。既に知識がある場合は、説明資料を作成する際の参考になるし、自分の知らない分野もあるはずなので、そこに知識のindexをはる助けにもなるかなと思った。

測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか

測定した指標を政治やビジネスなどに適用した場合に結果がどうなったかという例示集。測定したものをどう判断するかということが大事であり、測定すること自体が目的となったり、指標をハックするような行為がまかり通るようになるのは望ましくないとのことだった。確かに単純に売上を指標としてもそれは長期的な投資を軽視することになるように、本来複雑なことを単一の数字に落とすのは見逃す要素があることを意味する。どこまで測定が必要でその測定によりわかることはどこまでか、ということを認識しておくことが重要。

Team-Geek-―Googleギークたちはいかにしてチームを作るのか

googleエンジニアの技術ではなく人間に焦点を当てた本。 技術者といえど、会社員として働く上での生産性を高めるためにはチームやプロジェクトの他メンバとの協業が必須であり、 その対応が重要であることはわかるんだが人への働きかけは難しいんだよな…。

ザ・ゴール

ザ・ゴール

ザ・ゴール

適切な目標を設定し、その目標を達成するためのボトルネックに着目する。それ以外の部分については工数に遊びが出てもかまわない、という内容。工場における生産効率を例にしているが、他分野でも同じことが言えると思う。作業をするのは楽しいが、他に優先度の高い項目はないか、この作業により一体いくらの金額を得ることができるんだろうか?という意識は頭の片隅に常に置いておきたい。あとがきの著者はある自社商品の宣伝目的でこの本を書いたが、この本の内容を正しく理解すると自社製品は適していない、という結果になったという話が一番面白かった。

データの見えざる手:ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則

ウェアラブルバイスで取得したセンサデータから、仕事効率や人の幸せを測るという取り組みや、その結果について記述されており、内容は非常に興味深かった。ただ個人的にはウェアラブルから取得できるデータからわかるのは人の性質のほんの1側面にすぎないと感じており、このセンサデータだけから汎用的な結論を出す部分については若干疑問が残った。