読書記録(2020年10,11月)

超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条

面白かった。大規模な予測プロジェクトの結果を元にどのような性質の人が予測力が高かったかを示している。予測の正確性が高い人は、問題を細分化する、他者の批判的意見を歓迎する、客観的な視点から考える、等の能力を所有する人が多いらしい。高い予測力を持つ人が行なっていることは自分の下した判断について常に粗を探し続けるのと同義なので、本文中にも書かれていたが予測力は幸福さとは相関がとれなさそうという事実も興味深い。

コンサル一年目が学ぶこと

コンサル一年目が学ぶこと

コンサル一年目が学ぶこと

内容としては一定以上仕事に興味がある会社員は知っている内容かなという感じだったので、歴が若い人の教材としては良いかなと思った。(知っていることと実行することは別なのでコンサル以外でここまでやる人はあまりいないかなという気もする。)

 武器としての交渉思考

人と関わる限りは交渉というものが発生するわけだけど、 所有するカードの強さは人によって異なるので、得たいもののために何を譲歩すべきか、 というポイントを探すゲームであり、より適した解を得るには相手のことを知ることが必要なんだよな、と改めて思った。

最も賢い億万長者〈上〉――数学者シモンズはいかにしてマーケットを解読したか

あまりはまらなかったので下巻は未読。 物語的なのに、洋書特有の特に背景や感情説明なく物事が高速で進んでいくのが合わなかった。

PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則

長い、けど著者はおそらくこういうことをずっと考えていて、まとめてもこの分量だったのかなと感じた。 仕事に関する本は多くあって、それらにはある程度同じことが書かれているけど、この本で特徴的だったのは組織としての仕組みに着目している点だと思った。 エンジニア的な視点で自分を含めた組織をマシンとして考え、うまくいってない部分やボトルネックになる部分を 改善していくという発想は理解しやすかった。(人は機械ほど明確なエラーを出してくれるわけではないが…。) 個人の力はもちろん必要なわけだけどそれを活かすには、失敗を隠さない、とか物事に対してフィードバックを必ずかける、 評価をきっちりする、等の仕組みの部分が必要なんだなと思った。

独学大全――絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法

見た目はかなりごついが絵や大見出しが多いため、読むのは思ったほど大変ではなかった。 内容としては、独学にあたって、なぜ(why)、何を(what)、どのように(how)学ぶのか、ということが別れて記述されている点が良かった。 読んでいて思ったのが人に実施することを宣言すると挫折率が下がる、とか逆説的な目標を立てるとか、 自身が人間であることを認識し、人間がどのような性質をもっているかを認識することが学習するのに寄与するという印象をうけた。 ということでそろそろ途中読みになっている利己的な遺伝子を再読しないとな…。

MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ

MaaSに関して、その出自とコンセプトから、影響がある業界、具体的な各社対応、今後の展望まで網羅的に記載がなされており、 全体像の理解に役立った。一番進んでいるwhim(ヘルシンキ)ではMaaSの5段階レベルのうち4段階目である移動サービスの統合・サービス定額化まで実現されているわけだけど、ここは元々マイカー需要を減らして公共交通機関をより使用してもらうようにすることが目的だったので、日本での導入にはまた違った形が必要らしい。