読書記録(2021/2,3月)

ミクロ経済学の力

ミクロ経済学の力

ミクロ経済学の力

経済学は未履修だったので全体像を理解するのに役立った。 一つ一つの理論をより理解したくなったら別売りの演習本をやっていきたい。

誤解学

誤解学 (新潮選書)

誤解学 (新潮選書)

誤解の起きるパターンをモデル化して解釈している。 この本で紹介されているIMV分析だと

I:伝え手の真意 M:伝え手の発するメッセージ V:受けての解釈

として正直に伝わるケースだと

I=M=V=I

というようになるが、例えば伝え手が正直にメッセージを発することができず、受け手側で真意を推し量って正しく伝わるという

I≠M≠V=I

というケースもあるという話もあり、こういう構造化系の話は面白いなと思った。

意思決定分析と予測の活用

機械学習関連技術の進歩により予測精度はここ数年でだいぶ向上した印象があるが、 その予測値を実際どうやって意思決定などの価値につなげるか、という考え方が記載されている。 工学ではなく経済学に近しいイメージがある。 例えばある商品販売数の予測精度が10%向上したからといって売り上げが10%変わるわけではなく、 実際の廃棄ロス調整や店頭オペレーション最適化等のアクションにつなげて初めて効果が現れる。 その予測→アクションの部分の考え方の手法について豊富な分量で紹介されている。 例は単純なものであるのでそのまま使用できるというものではないと思うが、 価値をうまく定義し定式化するという基礎的な考え方が学べるのがいい点だと思った。

マーケターのように生きろ―「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動

趣旨としては自分のやりたいことをやって他人の価値になることを生み出せるのはほんの一握りの人なので、 自分のやりたいことではなく、相手にとっての価値のあることを行う生き方を勧めている本。

個人の幸福度べースで考えた場合、以下のどっちが良いのだろうかという疑問は残る。

  1. 自分はやりたいが、あまり必要とされないこと

  2. 自分はそれほどやりたくないが、必要とされること

あとあまり情緒的な価値に重きを置きすぎると、何かをやって双方が満足するが、 事態は全く好転していないみたいなことも普通に起き得ると思うので、 個人的には1と2のバランスをいい塩梅でとるのがいいのだろうな、という感想。

統計外事態

統計外事態 (ハヤカワ文庫JA)

統計外事態 (ハヤカワ文庫JA)

タイトル買い。やたらと統計と猫という言葉が出てくるが内容は普通にSF。 「現状は完全に統計外事態だ」という言葉はどこかで言ってみたい。

最高の結果を出すKPIマネジメント

  • KPIの設定には時間をかけて意味のあるものを作成する
  • KPIの指標を元にサイクルを回せるようにする。

よく忘れる単語メモ

  • KPI (Key Performance Indicator)
  • KGI (Key Goal Indicator)
  • CSF (Critical Success Factor)

統計分布を知れば世界が分かる

現実の事象を統計分布で説明している。 割と読みやすい。

絶望を希望に変える経済学

移民、貿易、地球温暖化緩和のための二酸化酸素排出規制、ベーシックインカム等の問題について、経済学の観点で紹介している。

人の必ずしも合理的に行動するわけではなく、例えば引っ越すことによって収入が上がる期待値が大きい場合にもたいていは大きなきっかけが与えられない限り 現状の生活をつづけたり、申請すれば国からお金が受給できる場合でも、受給することで尊厳が失われてしまうことを忌避する場合もある。

そういった人間心理やバランスまで考えてモデル化→施策実行を行うのはかなり大変そうだなという印象。

一兆ドルコーチ

思ったより情緒的な内容だった。チームとして成果を出すには、プライベートな部分も含めて信頼できるような関係性を構築する方がよいという話。 ビル氏の偉人伝みたいな側面もあるので理論的な裏付けも欲しい所だが、狩猟民族時代の特性みたいな話で説明がつくのかな。